健康はいつから自己責任になったのか
健康は、現代社会でもっとも疑われにくい価値の一つである。病気を防ぐこと、苦痛を減らすこと、身体を動かせること、よく眠れること、必要な治療を受けられること、長く生きられることは、多くの場合において望ましい。健康であれば、働 … 続きを読む
健康は、現代社会でもっとも疑われにくい価値の一つである。病気を防ぐこと、苦痛を減らすこと、身体を動かせること、よく眠れること、必要な治療を受けられること、長く生きられることは、多くの場合において望ましい。健康であれば、働 … 続きを読む
科学に基づく政策という言葉は、一見するとわかりやすい。科学的な証拠を集め、それをもとに政策を決めるという意味に見える。感染症対策では医学や疫学の知見を参照し、気候変動対策では気候科学や環境科学の知見を参照し、AI 規制で … 続きを読む
AI 企業の経営者や生命科学者が、合成 DNA や合成 RNA の注文に対するスクリーニングを義務化するよう求める公開書簡を出した。この話題は、一見すると「AI が生物兵器を作れるようになる」という危険なニュースに見えや … 続きを読む
現代のバイオエシックスは、生命の始まりだけを扱うものではない。生命科学が進むほど、倫理の問いは、胚、配偶子、ゲノム、脳、医療判断だけでなく、老い、長寿、介護、健康寿命、世代間資源配分へ広がっていく。これまでの既稿では、生 … 続きを読む
現代のバイオエシックスは、生命科学が何を作るのかという問題から、生命科学が身体由来情報をどのように社会制度へ組み込むのかという問題へ広がっている。[1][2][3]これまで、生命を作る時代の倫理、脳オルガノイド、幹細胞由 … 続きを読む
見た目で判断することは、ただちに悪であるとは言えない。人間は、すべての対象を細かく調べてから行動しているわけではない。食べ物を口に入れる前に色や匂いを見る。道具を使う前に、どこを持ち、どこを押し、どこを引くのかを形から読 … 続きを読む
医療 AI を考えるとき、最初に確認すべきことは、AI が便利かどうかではない。医療は、病名を当てる作業だけではなく、患者の不安を聞き、症状の背景を整理し、検査の必要性を判断し、治療の利益と害を比べ、本人の価値観を確認し … 続きを読む
脳のデータは誰のものか。この問いは、単に「検査結果の所有者は本人か、病院か、研究機関か」という管理上の問題ではない。脳データは、脳波、神経活動、脳画像、脳インプラントの信号、反応時間、注意状態、睡眠状態、感情推定、認知負 … 続きを読む
現代のバイオエシックスは、単に新しい治療技術のリスクと利益を評価する段階から、生命科学が何を作っているのかを問う段階へ移っている。前稿では、脳オルガノイド、ヒト–動物キメラ、異種移植、幹細胞由来胚モデル、人工配偶子、ヒト … 続きを読む
人間は、努力が結果に影響する世界を生きている。勉強すれば知識は増えやすく、練習すれば技能は上がりやすく、準備すれば失敗確率は下がりやすく、責任ある行動を取れば他者への損害を減らしやすい。この意味で、努力、注意、準備、自己 … 続きを読む