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観測者とは何かをボルツマン脳問題から定義する
ボルツマン脳とは、宇宙が極めて長い時間続き、物質の熱的な揺らぎが無数に起こるなら、きわめて低い確率で分子や粒子が偶然「脳」に近い構造を取り、その脳が一瞬だけ意識や記憶のような状態を持つ可能性がある、という仮想的な存在であ … 続きを読む
観測を情報更新として定式化する宇宙論
以前の記事「観測者を含む宇宙論の確率モデルの統一的定式化」では、宇宙論の議論を、背景条件 \(F_{\mathrm{bg}}\)、力学 \(F_{\mathrm{dyn}}\)、観測写像 \(F_{\mathrm{obs … 続きを読む
時間とエネルギーの不確定性原理とは何か
本稿の目的は、時間とエネルギーの不確定性原理を、教科書的な一行の公式としてではなく、量子力学の内部構造、量子場理論での実装、一般相対論との衝突、特異点定理とホーキング放射を経た先に現れる「時間とは何か」という哲学的問題ま … 続きを読む
観測者を含む宇宙論の確率モデルの統一的定式化
本稿は、前回「宇宙を構造として再定義する」で提示した枠組みを、宇宙論の理論空間を貫く共通構造として再配置する。中心に置くのは、観測結果をどのような写像として理解するかという数理的視点であり、そこから ΛCDM の強み、多 … 続きを読む
宇宙を構造として再定義する
宇宙について語るとき、多くの場合は「何があるか」という語り方が選ばれる。素粒子があり、原子があり、惑星があり、恒星があり、銀河がある、という列挙である。しかし、この語り方だけでは、なぜそのようなものだけが存在し、なぜ別の … 続きを読む
人間の認知資源はなぜ有限なのか
人間の認知資源はなぜ有限なのか。この問いは、能力論や教育論、あるいは AI 論を論じる以前に、まず単独で検討されるべき問題である。特定の理論的前提に依拠せず、この問いそのものから出発する。認知資源の有限性を曖昧にしたまま … 続きを読む
理解と説明のあいだにあるもの
本稿は、既存の 3 本の記事――「理解とは何か」[1]、「記述と説明の限界について」[2]、「認知バイアスを深堀りする」[3]――で扱ってきた内容を、余す所なく一本の議論として接続し直す。狙いは「AI が理解しているか」 … 続きを読む
判断が成立する世界はどのように設計されるか
前回の記事では、量子アニーリングの実務適用で繰り返し問題になる「モデル化」を、単なる数式化ではなく「意味の設計」として捉え直した。本稿は、その結論を出発点として、議論をさらに拡張し、なぜこの構造が量子アニーリングに限らず … 続きを読む
量子アニーリングではモデル化が意味を決める
量子アニーリングを実務に適用する際、ほぼ必ず語られる言葉が「モデル化」である。しかし、この言葉はあまりにも軽く使われている。多くの場合、モデル化とは「現実の問題を数式にすること」「QUBO や Ising に落とすこと」 … 続きを読む