クオリアは脳だけでは説明できない

人工ニューラルネットワークは、人間の脳を模倣した技術だと説明されることが多い。しかし、そこで抽出されたのは、神経細胞どうしの結合を参照した情報変換の原理であり、人間の脳や生命体を縮小して複製したものではない。実際の人間で … 続きを読む

再学習に必要な情報量は課題構造で決まる

大量のデータで学習した計算機モデルを再現するには、学習時に使ったデータをすべて保存し続けなければならないのだろうか。この問いでは、学習に必要なデータ量と、学習後に保持すべき情報量を分ける必要がある。大量の標本は、未知の規 … 続きを読む

カタツムリの殻は環境に応答する

濡れると模様が消えるカタツムリがいる。乾いているときには、殻に白い斑紋が見える。ところが雨や水分で濡れると、その白い模様が消え、殻全体が暗く見える。さらに乾くと、模様はふたたび現れる。東京大学大学院理学系研究科・理学部の … 続きを読む

生命への問いを設計する科学

京都大学などの研究グループが発表した「ごちゃまぜ人工基質法」は、新しい酵素を多数見つけた研究である。同時に、それは生命科学における問いの作り方を変える研究でもある。研究成果としてまず重要なのは、ペプチドへ脂質を付加する新 … 続きを読む

病気は、酵素の働きから読まれ始めている

病気を理解するとき、まず思い浮かぶのは、遺伝子の変異、血液検査の数値、画像に写る異常、細胞や組織の変化である。これらはいずれも重要な情報である。遺伝子を調べれば、生まれつき持っている変異や、がん細胞で起きた変化が見える。 … 続きを読む

赤く見える世界は、分子から始まる

赤い果実を見つける。緑の葉の中から、熟した実を見分ける。相手の顔色から、怒り、緊張、発情、体調の変化を読む。これらは日常的な経験であるため、色は物の側にそのまま備わっている性質のように思いやすい。赤いリンゴは赤い。緑の葉 … 続きを読む

秩序はどのコストで維持されているのか

秩序は、ただ存在しているのではない。とくに生命、神経活動、心拍、体内時計、知能のような秩序は、静止した形として保存されているのではなく、外部からエネルギーや物質を受け取り、内部で変換し、熱や老廃物を外へ出しながら維持され … 続きを読む

量子計算機は、何を競う時代に入ったのか

量子計算機をめぐるニュースでは、しばしば「何量子ビットか」という数字が強調される。数字は分かりやすい。100 量子ビットより 1000 量子ビットの方が大きく見えるし、大きい方が高性能に見える。しかし、量子計算機では、こ … 続きを読む

左回りに歩く人間から科学を考える

人が自由に歩くとき、時計回りと反時計回りは同じくらい現れるように思える。広場を歩く。部屋の中を歩く。人を避ける。壁に近づいて方向を変える。どれも日常的な行動であり、そこに大きな謎があるようには見えない。人が歩くという行為 … 続きを読む